山帰来唐草
山帰来(サンキライ)。
日本全国の日当たりの良い山野に生育するつる性の落葉低木です。
初夏に咲く花は淡黄緑色で目立たないですが、
秋のつける赤い実は花材として珍重され、クリスマスやお正月の装飾として人気があります。
水持ちの良い若葉を端午の節句の柏餅のカシワの代わりに用いる地域もあります。
茎が節ごとにジグザグに曲がり、とげがあります。また、巻きひげを触手のように伸ばして他物に絡まります。
この茂みに通りがかると猿でも引っかかる、の意味から、猿捕茨(サルトリイバラ)とも呼ばれています。
山帰来の名は、かつて不治の病にかかり山に捨てられた人が、この植物の根を薬として用い、治癒して「山から帰り来た」のが由来とする説、山の珍しい食糧を包む葉を意味する「山奇粮(さんきろう)」が転訛したとする説があります。
ちなみに、漢方薬として用いる「山帰来」は別種で、本種は正確には「和山帰来(わのさんきらい)」、生薬として用いる根茎部分の生薬名(中国名)は「菝葜(ばっかつ)」です。
地方によっても違う呼び名があり、岡山県では、「さんきら」、「ぐい」、「だんがめ(スッポンのこと)」など、九州南部では「かから」などと呼ばれているそうです。
残念ながら、自生している姿を見たことがないのですが、
赤い実、つやつやの葉、ジグザグの茎、細い巻きひげの生命力あふれる姿を想像しながら、柄にしてみました。
10月16日、11月13日の誕生花(猿捕茨)
花言葉は「不屈の精神」(猿捕茨)