鈴蘭

スズランは春の訪れを知らせる代表的な花です。
花はまさに鈴そのもの。
日本では、釣鐘のようにうつむいて咲く蘭の花の意で、鈴蘭(スズラン)と呼ばれていますが、
君影草(きみかげそう)、谷間の姫百合(たにまのひめゆり)とも呼ばれます。
英名は、リリー・オブ・ザ・ヴァレー、すなわち谷間のユリの意。
谷間が好きなのでしょうかね。

ー5月1日はスズランの日

スズランの花言葉は、「再び幸せが訪れる(幸せの再来)」「純粋」などです.
イギリス、フランスでは5月1日にスズランをプレゼントすると、受け取った人に幸せが訪れるといわれ、メイ・リリーと呼ばれています。

ーヨーロッパからアジアまで自生しています。

ヨーロッパ、東アジア、北アジアなどに自生しています。

日本原産の鈴蘭は、本州中部以北のほか、朝鮮半島、中国に分布します。葉に隠れるようにひっそりと咲き、主に山野草として扱われますが、高温多湿に弱くてやや育てにくく、流通は多くありません。
ヨーロッパ原産のドイツスズランは草姿および花ともに大型で丈夫です。葉と花が同じ高さで開花し、香りが強く、鉢花やポット苗で流通します。
日本で最も多く栽培され、なじみがあるのは、実はヨーロッパ原産のドイツスズランの方です。

ー毒があるのでお気を付けください。

子どもの頃、スズランの花が咲いたらその毒で自殺をしようと心に決めるヒロインの漫画を読んだことがあります。
スズランは、かわいい姿をしていますが、毒性があり、特に花と根に多く含まれています。
特に子供やペットのいる家庭では、誤って食べたり、触れたりしないように注意が必要です。

ひっそり咲く控えめな日本原産の鈴蘭をイメージして柄を作りました。鈴蘭のかわいらしさが伝わるとよいなと思います。

続きを読む “鈴蘭”

香豌豆唐草

スイートピーの、マメ科特有のひらめく蝶のような花の感じを柄にしました。

ーその名の通り、マメ科の植物です。

スイートピーは、イタリアのシチリア島が原産のマメ科の植物です。香りが良いということを意味する英語「sweet(スイート)」と、マメ科の植物を表す「pee(ピー)」を組み合わせて名づけられています。
日本名では「麝香豌豆(じゃこうえんどう)」「香豌豆(かおりえんどう)」「麝香連理草(じゃこうれんりそう)」という名を持ちます。
開花するのは一般的には、4〜5月頃で、華やかな中にも上品さを感じさせる見た目をしていて、甘い香りも特徴です。
花は大きさが異なる4枚の花弁で構成され、後ろ側に付いている旗弁が最も大きく、その手前に翼弁が2枚、一番手前に竜骨弁という最も小さい花びらで構成されています。
花が咲いた後には、さやえんどう豆のような形状の実をつけます。残念ながら、この豆には毒性があり、食べられません。

ー赤いスイートピーは心の岸辺にしか咲かない?

スイートピーは、現在は、赤、黄色、白、紫、ピンクなどの色がありますが、歌手・松田聖子さんの曲「赤いスイートピー」が大ヒットしたため、「スイートピー」といえば、赤色を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
実は、この曲がリリースされた当時、スイートピーの主流は白やクリーム色、ピンクなどが主流で、赤いスイートピーは存在していませんでした。
その後、この曲の影響で赤いスイートピーを作りたいという声が高まり、特に三重県の農家さんが約18年もの間試行錯誤を続け、2002年にようやく赤いスイートピーが誕生しました。

ー春の門出にぴったり

「スイートピー」の花言葉は、「門出」「優しい思い出」「永遠の喜び」。
別れや旅たちに花を添えるのにぴったりですね。

続きを読む “香豌豆唐草”

みかんこ

こたつでみかんといえば日本の冬の風物詩でした。
では、なぜ、こたつでみかんなのでしょうか。

こたつは、一度入ったら、なかなか出たくないもの。
みかんは、常温保存ができて、日持ちもして、手でむけるので包丁いらず。
そんなわけで、みかんをこたつの上にみかんを常備しておけば、
手を伸ばせばいつでも渇いたのどを潤すことができてちょうどよかった、というところでしょうか

みかんを食べすぎると、手が黄色くなりますが、これは、みかんに多く含まれるβ(ベータ)-クリプトキサンチンという成分のためで、食べると体に蓄積して長持ちするという面白い特徴があります。
このβ‐クリプトキサンチンは、高い抗酸化作用をもち、がん抑制効果、骨粗鬆症、肝機能障害、糖尿病、動脈硬化などの予防作用や脂質代謝改善作用にも高い効果があると期待されています。

また、1日に必要とされるビタミンC 50mgは、みかん3個程度で補えます。

実は、冬はこたつにこもってたくさんみかんを食べることで、β(ベータ)-クリプトキサンチンを蓄えて、元気に春を迎えられていたのかもしれません。

雪の降る寒い冬の日にこたつで食べたみかんをイメージして柄にしてみました。
みかんの白い花は11月23日の誕生花です。

続きを読む “みかんこ”

ムラサキシキブ

NHK大河ドラマ、光る君へでもおなじみの、源氏物語の作者の名をもつ花木、紫式部。

もともとは、濃い紫色の実をたくさん付けることから、紫重実(むらさきしきみ)と呼ばれていたのが、江戸時代ごろから紫式部(むらさきしきぶ)と呼ぶようになったといわれています。

学名はCallicarpa japonica(カリカルパ・ヤポニカ)。日本に産する美しい果実という意味です。
英名ではJapanese beautyberryとも言われています。
初秋には緑の葉につややかな宝石のような美しい紫紅色の実をつけ、秋が深まってくると葉は黄金色に黄葉し、何れのコントラストにも趣きがあります。
花言葉は「聡明、上品」。
まさに才媛紫式部を想わせる花木です。

そんな紫の実と葉の様子をかわいらしく配置してみました。

10月21日の誕生花です。

続きを読む “ムラサキシキブ”